かぜの漢方薬(初期編)
転記、複写を禁止致します。
使い分けよう、かぜの漢方薬
(初期編-傷寒)
風邪に使う漢方薬。風邪に葛根湯は有名で、最近インフルエンザで麻黄湯も有名になりました。
漢方薬では、同じ風邪でも、その人の症状や状態で、お薬を選ぶよう千五百年前の本に書かれています。
病気に対する力(免疫、エネルギーのようなもの?正気)と邪気(病気のもと)が戦い、邪気に勝っている状態を実(実証)。戦う力が不足している状態を虚(虚証)といいます。
風邪ひいたから虚証だ、と思いがちですが、発熱する力があったり、熱があっても本人は、なんともないなど、病と戦う正気があるので実となります。
実証には、ともに戦い邪気を除く漢方薬。虚証には、正気をおぎなう漢方薬を使うことが基本です。
(ここでは、一般的なカゼを風邪と表記します。外因のと区別します)
★ 症状を見て選んでみましょう。(重要ポイントを太文字にしました)
桂枝湯(けいしとう)虚証向き
風邪の初めのころ
皮膚は少し汗ばむ(無汗でない)
さむけ、発熱は、軽い感じ
肩こり、おえつがある人もいます。
麻黄湯(まおうとう)実証向き
風邪の初めのころ
自然に汗が出ない(無汗、サラサラ肌)
さむけ、発熱は、強く
頭痛、関節痛、筋肉痛
上記症状に、咳、鼻づまりの人も
葛根湯(かっこんとう)実証向き
風邪の初めのころ
自然に汗でない(無汗)
さむけ、発熱は、軽い感じ
頭痛、肩こり、首すじの張り
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
虚実中間証向き
水様鼻水風邪のとき
さむけ、発熱は、軽い感じ
タラタラ鼻水、ゼコゼコ咳
その他
他にも ・麻黄細辛附子湯・虚証向き...発熱少なく寒気が強く、全身倦怠、タラ鼻水、
また、治す時期を逸し、風邪がより中に入り症状がかわってきた時(中期)の漢方薬もあります。柴胡桂枝湯、小柴胡湯などです